俳優の堺雅人さんが好きなのでかねてから気になっていたドラマ
「リーガル・ハイ」
最近になってようやくツタヤでレンタルできました。

1話から現在8話まで視聴したのですが、いやーこれは面白い!
まず登場人物のキャラクターがかなり濃い。
主人公の古美門(コミカド)・黛(マユズミ)コンビのまるで磁石のSとNの様な相性…
時に相棒のように、時にライバルとして接する二人は
見ているととても面白く、引き込まれます。
しかし、出来事や事件の過程が割と生々しい為共感もしやすい作品だと感じました。
役者さんの演技も魅力的です。
そして今回胸打たれた8話。
内容はと言いますと、親子の絆ものです。
(※↓以下盛大にネタバレ)
今回古美門(堺雅人)のもとに舞い込んだ依頼は
「母と子の縁を切りたい」
というもの。
依頼主は弱冠12歳の女の子。
しかしその正体は天才売れっ子子役の吉永メイで、
彼女は管理の厳しい母親の留美子にうんざりしているのだという。
だからといって親子の縁を切るのはいけないと言う黛(新垣結衣)に対しメイは、
留美子はかつて自分で夢見た女優の道を自分に重ねているだけで
本当は自分の事なんて愛していないのだと言う。
自分はただの金儲けの道具なのだ、とも。
それらを言いたいだけ言った後、流石売れっ子子役。
「金ならある」といって涼しげな表情。
反対する黛をよそに、古美門はこの依頼を引き受けてしまう…
大雑把に言えばこんなおはなしです。
ここだけ読むとこのメイちゃんはただの自分勝手反抗期娘、
古美門は金さえあれば何でもやるただの嫌な奴に感じる事でしょう。
しかしですね、
古美門が依頼を引き受けたのはどうやら金のためだけでは無かった様なのです。
実は古美門自身も実の父と決裂、親子の縁を切っていました。
普通のドラマだったらそこで
『私も親と絶縁し、今では後悔している。この子はわかっていないだけだ。
こんな子供にまでそんな思いはさせてはいけない。』
と、「金さえあれば何でもする」という言葉とは裏腹に裏でコソコソやって
古美門「絶縁なんて、もう考えちゃいけない。」
メイ「うん、私のお母さんは、お母さんしかいないんだもんね。
気付かせてくれて本当にありがとう。」
…みたいなエンドになるのでしょうが、
このドラマの中ではそんな事、起こりません(笑)
依頼を引き受け、いざ母親の留美子と話をしに行こうとすると、
なんとそこには絶縁した古美門の父、清蔵が。
幼い頃、清蔵に厳しく育てられた古美門は反逆心を燃やし、
やがて依頼はメイを自分に重ねた代理戦争になっていきます。
そんなこんなでちょくちょく古美門の過去描写が入るのですが、
これがまた…私の胸にはグサグサ刺さりました。
一番堪えたのが
幼少期の古美門が相手に悪い事をしたお詫びに持って行く為の菓子折り代を、
清蔵が
「これはお前のお年玉の為にとっておいたお金だ。
それをよく考えてお菓子を買いなさい。」
と言って渡したシーンです。
これ、私も実際ありました(苦笑)
何て言ったら良いのでしょうか…子ども心に
「親をがっかりさせてしまった。」と、かなりショックを受けました。
同時に「私の為にお金をとっておいてくれていたんだ」っていう嬉しさも感じていて。
でもそのお金は自分のものにはならない。
受け取れたはずの愛情を自分でみすみすドブに捨ててしまったかのような…
悲しさと、切なさと、悔しさで、ただただ泣きました。
結局幼かった古美門はそのお金でお菓子を買いますが、
ふてくされて自分で食べてしまいます。
そういうのもやったなぁ…(苦笑)
で、話を回想から現代に戻すと、
結局メイと留美子は絶縁することになってしまいます。
しかしこの結果はお互いに気持ちを吐きあった結果であり、
登場人物視点で言うとハッピーエンドです。
留美子はメイ一筋と言わんばかりの生き方をし、
メイともめれば自傷行為をする…
そんな母を見て、もっと自分の為に生きて欲しいと、
母に幸せになってもらいたいと思っての絶縁依頼だったのです。
本音と建て前ってやつですね。
そして依頼は終了したのですが、
古美門と清蔵の関係は最初から最後まで一貫して変わりませんでした。
最後の最後まで他人行儀のふたり。
私的には古美門を自分に重ねたのもあって、一番和解して欲しかったふたりです。
やっぱり深まり過ぎた溝は埋まらないんだな…としんみりしていた時、
帰宅してきた清蔵のもとに一本の電話がかかってきます。
相手は何故か古美門の家で
お手伝いさん事務員をしている服部さん。
なんでここで服部さん?と思う私をよそに、穏やかな表情で話す二人。
そして次に耳に入ってきた会話-
清蔵「ところで…あなたのことはまだ バレてないんでしょうね?」
服部「はい 今でもこちらの古美門先生は私のことを
一般公募で応募してきたと そう 思ってらっしゃいます」
清蔵「嫌ならいつでも辞めていいんですからね」
服部「いいえ 先生に拾っていただいた命です
せめてご子息に奉仕させてくださいませ-」
「こちらはいろいろと楽しゅうございます」
清蔵「はは…そうか。」
…これで私は声を出して泣いてしまいました。
ちょっと前の場面で絶縁したメイと留美子に向けて黛が言ったセリフ
「どのような結果になったとしても
親子の縁を切ることは どんな法律にもできません」
「思い合っていれば 親子です」
上記の電話のシーンが無かったら
私はこのセリフを綺麗事と一蹴していたと思います。
しかし、生活力皆無の古美門を支えるあの万能
お手伝いさん事務員服部さんが
今は絶縁しているはずの父、清蔵から送り込まれた人物だった…。
この事情により、黛のセリフは非常に響くものとなりました。
いやぁ、よくできた脚本ですね。
ともかく、どっちの親子も
全部の事情を知る視聴者的にはハッピーエンドという事で、良いお話でした。
次の9話・10話はこのドラマでの伝説回、
堺さんの名演技が飛ぶ「公害訴訟編」です。
楽しみですが、続きはまた明日鑑賞しようと思います(^-^)
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